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遠星

2014年04月19日 03:49

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心もなく魂もないまま

空を見上げては 散らばる星達の腕を求めている


春も過ぎたというのに 時は薄っすらとほこりをかぶり

無効になってしまった切符の様に

上着のポケットから出てきて

唇は乾き 心はなぜかむなしい

感情は開ききった花びらの様で 

朽ち始めた匂いが漂う

暗闇に光る鏡にちろりと映る舌が

深夜の想いに影を差し込むと

びろうどに紅灯り 心なげに飛び回る




草原の生と死

2014年04月17日 22:03

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その土地に名などない


砂も風も岩も土も味方にして

ただ馬を走らせる


牧草を求め 水を探し

欲しいものを奪う


戦いが終わった夜には
月の光が 砂に横たわった躰に反射して
生と死の輪郭が見える


死に向かって簡単に足を踏み出すもの

何度死に際まで追い込まれても、片足を生に残すもの

幾人が朝を迎えるのだろうか?

生きたいという執念、愛や増悪
躰ではない別のものが
人を生に踏みとどまらせているのだと思う


風の中に生き 散ってゆく民

地平線は無くなる事はなく

草が靡いている





三日月

2014年04月17日 21:48

月が眉をかき

星を飾れば

夜空たなびいて

君が振り向く



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近すぎても 遠すぎても会えない

僕はどこに行けば君と会えるのだろう?


貧しさの中の豊かさ 

2014年04月15日 08:59

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夕食のための煙が 黄昏に染まった家々から立ち上りはじめ

母に叱られた子が家から出てくる


あれから幾年が過ぎたか?

流れる煙を眺めながら 西域へ思いを馳せれば

穏やかさは自分にはそぐわず 

与えられた貧しい安寧にしか過ぎない事を知る

捕らわれた躰を振り切る様に 

再び旅立ちへの準えを始める…



転蓬の様に

2014年04月14日 19:03

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風がやむのを岩影で待ち 東へ進む

砂漠が草原に変わり 新しく芽吹いた草が世界の色を塗り変えてゆく


照り付ける日射しは熱く 月と星を頼りに歩けば

吐く息は白く 闇に浮かび上がって見える


周囲の闇が薄らいでくると 砂の窪みに身を埋め

川のせせらぎを遠く聞く


今の自分は夢のようなものだと思う。

目醒れば昔に戻っているかもしれない・・・



夜明け前に起き 見渡すと

原野に散らばる明るさが 今日を照らし始めていた。

誘惑

2014年04月13日 16:08

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重ねて 拭って 滲む世界

感情に揺れた跡は

白い空の向こうに 伝わっていく

目に見える景色は私の幻想?


赤く染まった ウソにひたる

醜くて 呼び返す声も聞こえなくて

下へ下へ

頂の門がひらく



赦されるモノならば

このまま

繋がってみたい? なぞってみれば?



痛みの中にある 美しさ 

壊れた心に注ぎ込むと

黒く光る石になる


触れてみたい? 願ってみる?

まだ間に合うから

突き抜けた光の中に

身体を照す


あなたの肩に揺れてた 木漏れ日が懐かしくて

声に出して呼びたい


誰もいない 響かない

春が溶けてシマッタこの世界


千切れた雲 舞わす風

甘えた唇 もう一度だけ

まだ間に合うの


足元の

2014年04月12日 13:15

空を映した小さな花たちが集まって

風に揺れたらチリリと音がしてきそう


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黄昏

2014年04月12日 01:39

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ほの暗い湖面に 寄り合い茂った芦が揺れて

茜と藍が交じりあう瞬間 山鳥は寝床で嘴を埋め

夢の中に旅をする

月は中天 

深淵に衣を落として水の蒼と夕日色に染めたら

星を積みに行こう







銀河のハロー

2014年04月10日 23:33

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見上げれば大きく広がるカラフルでハッピーな渦巻達

月を半分にして眺めると

芽吹いた枝が揺れて星を指す


輝く影に浮かぶかけらをポケットに入れて

口笛を吹きながら帰る春の宵に

裏腹な心がそっと映る


内と外で逆巻く思いも

あしたにはきっと素直になれるはず

お休みなさい

二つの

2014年04月09日 00:25

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かすかな記憶をたどって目を開ければ君の顔
星に満ちた夜
霧煙る朝

繰り返す流れの中に
取り返せない明日をつかもうと
あどけない声が聞こえる

日が差す方へ
足跡が続いているのが見える

今宵も

2014年04月08日 00:10

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たった一つの荷を下ろし
夢に立つ

振り返りもせず
前も向かず

ただ

人であり
あなたとあり
繋がっている


種も蒔かず
刈り取りもせず

望まず
疑わず

感謝し
祈る





欠片

2014年04月07日 00:00

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この骨は白々と 浮き世の穢れも知らぬ顔で

ぬらりと雨夜に浮かんでいる


破れた肉を脱ぎ捨て

刻まれた苦労から自由になったのだ


罪は焼き尽くされて煙となり

贖われた魂は 明けゆく天へと駆け上がる


追いやられた全ての日々は取り戻され

毎朝、毎夕整えられる灯火が代々にわたり受け継がれるだろう…



柳影

2014年04月06日 02:54

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日差に柳が 別れを告げるかのように小さくそよぎ

うっすらとまとった葉の やわらかな重なりが目に優しい 

舞い落ちた花の 透き通った道を淡い緑がふちどって 

ひそひそ声で 次の季節を案内してくれる午後


貪欲、瞋恚、愚痴

2014年04月01日 23:39

すなわち、むさぼり、いかり、おろかさ

三毒が人の世の浮き沈みを作り出す


高きをめざして貪り、凡庸であることに怒り、愚かなまでに励む

志高き毒あればこそ生きる力となる

と、言うは易し…


何を話しても嘘になる様な面持ちにて、今はどの毒が燃えているのかを
日々確かめる







松籟

2014年04月01日 22:12

雲があり、風がある

窓からの光はやわらかで、しっとりと潤い、時おり硝子がカタカタと鳴っている

時は 思いもよらない早さで駆けめぐり
陽だまりは春飛び越えて初夏の様

薄墨色の壁に吸い込まれていく思いに
松風は老松の枝をさざめかせ 心をやさしく奏でてくれる

こころゆるく待ちながらえば 君来たらんか

想いは虚空を削り 今はただ身を持する為にあるのみ

水がほどけ溶け出す頃を待ちながら
くつりくつりと湧く窯の肌に目を止め
空を見上げれば
青さより 霞む白さばかりが目に染みる




春の便り

2014年03月31日 01:32

池の水にはじけた光が障子に眩く揺らぐ

白い紙にきらめく七彩が部屋を照らして

くつくつと湯音を立てているのが心地よく

広やかに流れる時にゆるりとする贅沢に 心の根がほどける


来し方を思い起こせば悔いの念ばかり

どうすれば君にみちたりてもらえたのか

この気持ちはどこから来たのか



それは

山里の雪間に芽吹いた草の命の輝き

丸く小さな蕾が秘めた命の強さ

恋のちから


たとえこの身は枯れかじけていても

そこには溌剌とした命の芽吹きがある


悔いはうたかたとなって、心の闇に浮かんでは消え

気がつけば風がそよぎ 光が大きく乱れて

湯音は力強くたぎっていた


あなたからの知らせは 私にまだ届かない。


 

春時雨

2014年03月29日 23:47

山の連なりが眺め渡せる楼閣で 日差しを浴びていると

峰の若葉が柔げで ふと手を伸ばしたくなった

今宵 雨はしとどに降り続いて 漆黒の闇にかすかな藍色がにじむ

たとえ 宇宙深奥の景色を読み取る事は出来なくとも

清明潔く風月を愛する事は出来るだろう

春の嵐に耐えた季節があなたを連れてくる




船着き場にて

2014年03月28日 08:39

船着き場は春の黄昏に暮れなずんでいる

山は霞み 川に吹く風は艶かしい

東の空には赤い十三夜の月が顔を見せて

藍色の夕下がり 人の世の哀切と廻り合いの僥倖に そっと目を閉じれば

ゆるりとした流れに 船は下ってゆく

宵の風薫れよ 君といて愉し

舳先に灯した松明が、深い藍の帳の向こうにすっかり消えるまで君はじつと見送っていた







 

春寂

2014年03月28日 02:02

静寂に立ち 雨が空を刻むのを眺めれば

松や槙が枝をしならせて風を呼び

枯れ寂れた館に咲く花の蕾がかろかろと揺れて 時は過ぎ行く


薄墨を流した明るさに目を凝らし

花のない枝を振りつつ 霞煙る富士を眺めては

東雲の薄明かりに 大きく輝く明星を摘み取る


綻びがやわらかな若葉の芽吹きのようにたぎる季節に

天地のあわいに映し出される美の揺るぎなさは

寂寞とした心を埋め 僕は春を余すところなく堪能する

 

四月の門

2014年03月25日 01:38

今は昔、四月の門

そこで出逢った始まりと終わりは

水路を渡ると

空を放して走り出す


踏みつけた雄弁さに

僕の時が花を告げ

雲の波に太陽は隠れたまま

春に産まれて春に死んでしまった






梅園にて

2014年03月24日 00:12

紅梅が藍滲み 山が月を背負えば
つかの間に過ぎ行く夜に合わせて
花弁を落とす白梅達

傾ぐ地で天を仰ぐ枝から
花舞う様を眺めれば
駄弁は月光に当たって砕け散り
春の息遣いが山里にそっと桜を添えてゆく


夜におもう

2014年03月23日 04:32

赤い月 
ぷかりと浮かぶビルの間に
タップを刻み手を叩け
浮き世の終わりの愉しさよ

橋の下 
川面に映るは懐かしの
街の灯揺れて煌めかし
昔は永久に思えたものを

耳を射つ 
トランペットが哀しいと
窓開ける背の愛しさを
一人寝の夜に抱き寄せる


アーキテクト

2014年03月22日 00:38

頭を高く上げよ

感化は世界に拡がり
疑う者を信じる者へと変える

及ぼす力は限り無い


思考を深くし
知恵を求めよ

精神は神を模して造られた

言葉に力が宿るならば
思考には世界を変える力がある


見え方を変えると世界は回り始め
新しい現実が誕生する


心を高く上げよ
全てを天へゆだね
開いた心を解き放つ


それは多の集まりの中に見いだされる
全てが混じりあい、繋がりあい
結び付いた思考の網を張る

螺旋を描く神への思考は
夢 希望 恐怖 啓示が渦巻くドームの天井

人はみな建設者
己の宮への門を抱く
造物主

朝が来て、不変の軌道を辿り
虚空を進む力強い日射しを感じると
天が地に近付き神が人に結び付く

夜は逆に流れ、啓蒙の時来たれり

隠れたる物は顕れ
秘めたるものは明らかになる




 

ありがとう

2014年03月18日 00:33


あなたは春風の様に 
私を包んでくれた
優しい雨に降られて
今 空を見上げよう


あなたは太陽のように
私を照らしてくれた
優しい海に抱かれて
翼広げ飛ぶよどこまでも

あなたは大地のように
私を受け入れてくれた
流れる川に足浸して
喜び歌うよ尽きるまで


嵐がきて 道に迷っても
私の中でしなやかに美しく
生き続けるあなた
 
共に在りし日を思い返せば
哀しみの淵で傷をそっとさすり
灯をともしてくれるあなたが居る







春の水

2014年03月15日 04:38

凍んだ滴が雲渡り 帳が降りゆく春の夜

萌え霞む山に子規は鳴き 名月照らすよ君の貌

花は落ちて散りゆけど 心に残る美しさ 

青さ増したり春の水

涙流れろ笹船に 憩う一夜の恨めしさ

思い乱れ浮かぶれば 水かさ増して淵となる




幸せの匂い

2014年03月11日 23:38

ぎゅぎゅぎゅっと
寄り添っているといいなと君が言う

ぎゅぎゅぎゅっと
寄り添っているといいなと僕も言う

毎日の当たり前の事には幸せがいっぱいで
振り返ってみた時にも嬉しさがいっぱい

きれいでも いびつでも 
ひとつひとつが光る大切なピース

暖かい匂いに包まれて 
みんなの感情もため息も小さな涙も
一つの人生に生まれ変わるの

重なり合った見えないもので
出来ている私たちの世界だから
体中で今を感じて
全身であなたを想う

さよならはきっとないから

また会う時
それはたった数万年先
ほんのすぐ先の出来事






レント

2014年03月10日 09:19

見送る衣は真珠の灰色
力強い鋼の瞳に赤い巻き髪が揺れる

香油を注がれて ぶどう酒とパンを割き そして全てが終った

夜に向かうのは オリーブ山の麓

風が闇を孕んで吹いて 
遠い空が線になる

星が警告を発したが 付き添い達は すっかり寝入ってしまった

試練の時来たれり

いつも絶えない笑みの明るさに
夜が明ける前の暗さを知る

苦い杯は愛で満たされた

主は我が砦であり 避け所
全ての乾きは癒されるだろう

感謝と謙虚を持って杯を飲み干し
我ら天を仰ぐ

あめたま

2014年03月09日 02:33

 
雨が降ります ポツポツと

重なる滴は水色で 君のコートは水玉に

雨が降ります しずしずと

濡れた黒髪艶ややかに 春の薫りが登りたつ

雨が降ります しとしとと

白い簾の間から 桃色の花が揺れている


優しい雨を受けながら 君が帰りを待っている 

可愛いあの子に何あげよ

弾けるリズムに合わせれば

はやる気持ちが脚に出る

傘の下で胸はずむ 私の心は光る珠

 

そらのひ

2014年03月08日 00:54

オレンジ色の時が拡がって

朗らかに 蕾は膨らんで空を見上げてる


寒さに磨かれた葉に息を吹きかけて

顔を映せば

後ろから訪れる春の音


森の出口はすぐそこだけれど

あと少しだけここに居て 冬の足跡を眺めていたい

 
 

白百合

2014年03月06日 21:33

昔も今も人の世に 絡み合う人間模様

手にした栄華も顧みず ただ愛だけを抱き続ける事は
幸福な事か不幸なのか


手折られた花の枝葉は整えられ
主に届けられる

月光の様に 柔らかく光る君の顔

残酷な仕打ちを受けるが 淵から覗く白百合のように清々しく香る

幸せを人から奪うのか天に任すのか 
決めるのは己だけ

昔も今も心を捨てられた人はいない

睦まじい鳥の様に連れ添う事を望みながら
流れる川面に踏みにじられた気持ちを映す

無くした情はいつ返ってくるだろう

光が射すと谷間には白百合が揺れて
私を慰めてくれる

赦しを欲しても昔には戻る事はないのだから

貴方から遠く羽ばたく私に言葉はいらない



雪名残

2014年03月06日 00:17

朝降った雪は 足の下で固まり
茜色のざらめになってしまった

日も暮れて 枯れ葉が星に揺れる頃
家に戻る影はただひとつ

祖国が引き裂いた恋人を 誰が慰めてくれるだろう

若者はだまったまま答えを待ち続けるが
願いもむなしく 馬車は国境を越えてしまった

心を添わせる君との出会いよ
振り返ってももはや姿はなく
水面に映る月のように浮かんでは消える面影が残る

君の心はどんなに僕を求めてくれていたのだろう
願いはむなしく もはや嵐が消え去ったように君の姿はない

答えを待ち続ける僕と 笛の音がむなしく響いている

明日を望み 風に希望を託すが
手にしたものは この手からすり抜けてしまった

翻弄された出来事も もはや朧げで遠い記憶となり
ただ君の歌が耳に響くのみ

鳥の羽ばたきと共に霧雨が全てを流し去る

夜毎の睦事よりも 今君の歌が聞きたい

境界

2014年03月03日 02:18

あなたと私の間には

沈丁花が咲いている

互いの顔は見えずとも

甘い香りに乗って来る

綺麗な声があれば良い


君に伝える言の葉は

花に託して消えるのか

葉に書き置きて渡そうか


見えども聞けず 探しても

測る秤は傾かぬ

互いに想い想われて

幸せ願うよこの夜も









sky folls

2014年03月02日 16:22

空に落ちてゆく 

燃える月と地に照されて 

翼が狭間を滑り落ちる


あの日 紅蓮の花が咲いて 

森は病み 木は枯れてしまった

町は燃え 水辺に民は追いやられた


忘れるな 風が全てを消し去って

絶望が行く手を阻むとも 

栄光は過ぎ去った夢ではない


まとわりつく寒さと飢えは道を遠くするが

山々は美しい瞳で我らを見守っている




煙が空を覆うのを眺めようではないか

煤けた顔を拭って酒杯を上げよ

いにしえの道は失われたが

今 私には燃えたぎる炎が見えている


塔が崩れ鐘が鳴り 町が闇に包まれても

忘れるな父と子よ

剣を鍛え 大弓を放て

黒き矢が星を貫き 天を縫い止める


失われた王が帰還する夜

かき消された民の願いが耳に届くだろう



同志よ勝ちどきの声を上げよ

山の下に眠る黄金は過去を取り戻し

子供たちと未来への敷き石となる



もしも滅びの音が聞こえたら 

眼を閉じて最期の時を受け入れよう 

そして友の為にワインを注げ


夜は青白く慰めに満ちて 

霧深き山々の囁きが聴こえる
 


死が再び舞い降りようとも

父の道を子が辿るように 我々も同じ選択をするだろう



心を燃やして意志を強く持て 

嘆きを捨てて 闇を打ち払え

記憶は時を越え情熱を呼び起こす



夢は忘れ去られた宝を求めて旅立ち

閉じ込められた明日を照らすのだ 

心は満たされ 再び朝を迎えるだろう



大地が破壊され 空が落ちようとも

魂は駆け上がって天をつかみ

私の中で炎は燃えたぎる



 

風の街

2014年02月23日 01:50

それはただ 賤しめられて 省みられず 
誰からも賛同を得る事がない

搾取され 報いられず 

望みは透けた石になってしまった

あきらめは 砦の中へと積まれてゆき

降りしきる雨は樫の梢を伝わって
地を濡らす


仮面に張り付いた笑顔が 離反する精神に替えられると

燃える怒りは色を変えながら 胸を穿つ日々を越える


言葉を無くしても 情は断ち難く 心は風に還るのみ


打ちのめされた今日を 夜の淵より連れ戻し

明日を願う人びとに命を捧げると
  
伝う雨が霧と立ち上り 街を包む

 



日輪から吹く風

2014年02月19日 13:37

薪が醸し出す薄闇が 香ばしく部屋を包むと

鍋蓋のリズムが 子供たちの眠りを誘い

大人達は遠い日の記憶を呼び起こす


炎が紡ぐ親密な時は 全てを赤く染めあげて 

しんしんと冷えた空にオーロラを呼び 数え切れない星が夜空を飾る


思い出に寄り添って 凍てついた夜に身をさらすと

光を見届けた僕の瞳には日輪が宿り

音ひとつ鳴らない冬の中へ 太陽から最後のメッセージが届く
 
 

さくらの約束

2014年02月13日 01:02

ほとほとと砧を打つ 涙に袖を濡らしながら


愛の重なりは時空を越えて出逢うから 


風が吹いたら笑ってごらん…

あの人が還ってくるよ


駆け出した足を掬い上げ

高く舞い上がる心で一つとなる


さんざめく桜だけが知っている春の訪れる音


遠い昔に交わされた約束と

愛しい人の帰りを待つ 恋人の話し


 

めぐる朝のうた

2014年02月11日 02:27

 
 
金の糸引いて揺らす挾間に 堕ちた涙を織り込むと

軟らかな溜め息が花散らし 心を染め上げて行くよ


白いレースが波間で踝を飾ると 引き離された哀しみは泡に帰り

踊り出した雫が水紋を光らせて 幾重にも重なった私を呼び覚ます


 
  

雪虫

2014年02月08日 11:07

 
舞う姿に時忘れ

吹いて散り 降りては積もる

白き積寂の下には春来れり

我が想いも融ける日を待つ

 
 

アルキメデスの三角

2014年02月08日 02:27

 
あなたの心に浮かぶのは 上向きの?下向きの?

合わせれば星になって寄りそう


はみ出したり縮んだり 

今日も真ん中を目指す 泥だらけの小さい三角達


泥を拭えばプリズムが通って等しく光り


愛を注げば溜め息をついて

波打つその様はワンネス まあるい神の子




 

春の雨

2014年02月05日 02:19

 

巡る出会いと償いの狭間で 

哀しい程に愛らしい 貴方との思い出を手折る



手放せば舞い もはや捉えられない

水仙の花は香り 紅梅が目に沁みる



川の水は滑らかに注ぎ 支流にある小さな浮島には翡翠の尾羽

揺れる芦の穂 狐火が誘う夜

艶やかな黒髪が匂い立ち 振り返る白い首のたおやかさよ



永い諍いも終わりを告げて 銀河も夜を明けようとしているから


赦された心が目覚める朝には 私の歓びが還ってきて

明るい雨の歌が聴こえるでしょう

 

梨花の誓い

2014年01月29日 01:34

 
たまゆらり

見てど 待てど  たゆたえど

夜毎の君の手枕の 温もり返る溜め息よ


頬染めて 梨花の下 誓う言葉の儚さを

愛しく満たす朝の歌


流れる髪をとかす櫛 絹の囁き秘めて翔ぶ

鴛鴦冬を越しにけり

 

日出づる

2014年01月26日 11:28

さらさ流れる白浜の 砂食む音は波間へと

還す波の裏側に 行くよ小さな子供たち


渦巻き潮流波に乗れ 遥かな海原果ての果て



赤く燃え立つ太陽が 仲間のもとに見えし時

照す土こそ我が祖国



和らぎ奏でる葦とよと 水が織り成す紋様が

岩や千歳に重なりて 忍べる心を慈しむ

 

ある夜には

2014年01月16日 00:25

カモミールの香りが時を刻み

くたびれたタオルケットと 柔らかい毛布にくるまって

カップが冷める頃に訪れる 満ち足りた気持ち

暖かくなった背中に寄り添う様に

まあるく冬の夜が過ぎて行くよ

お休みなさい

貴婦人

2014年01月14日 01:11

残雪 白く北の国

谷間を南に渡る君

青き裾を翻し

揺れる心が目に沁みる



寄せ木細工の温もりと

君が薫りの切なさに

待ちける人へ届けよと

走らす筆の黒き筋


陽気さ湛えたゴンドラと

旅立ち見守る瞳には 

茜落ちて 夕闇に

来る日の焔揺らめいて



月が登って銀の街

君を探して幾星霜

水面に映る約束を

すくって飲むよ金の杯



    

福音

2014年01月09日 03:47

 

命が揺れて 響く音と

映るは 木々と花々よ

息吹芳し 金の星

いつしか還る 君の魂

生かされてある歓びの

希望の梢 遥かなり

 

約束

2014年01月01日 05:20

青い夜には 風の音

残った影が揺らめいて

僕の頬を撫でると

紅は暖かく 白い喉を染め

瞳は 花を抱えた貴方を映し出すでしょう


昨日は彼方へ行き 

季節が巡るまで

打ち捨てられた石を拾いながら

遠眼鏡越しに月を眺めると明日が来る


積雪の果てに 芳しく緑が萌え 

涼やかに沈む太陽と共に

海が隆起し星が生まれ

鳥たちといつか渡るでしょう

貴方と私の間には何もなくなって

一滴の渦となる

遠い約束







 
 
 

初秋

2013年12月07日 00:57

 
  
高原の 茅萱吹けば 霧ヶ峰

穂屋の庭に 露きらめきて

御射山の秋は 深まりにけり
 
 

風琴

2013年12月04日 01:32

 
 
爪弾く姿は見えねども

風の音遥か 我が身まで


錦に陰りし 深山では

竜田の姫の婚礼よ


落ちる紅葉に染まりたる

今宵 君が心は我に溶けなん
 

蓮華鏡

2013年11月24日 02:57

 
回れよ華よ 軽やかに

夜の淵はおそろし

お日さん早く出てもらお

光が鏡となりたまえ



遊べよ山の 土や木と

川は流れて花は咲き

風が吹いては実が揺れて

転がる童は笑いけり



歌えよ喉が 枯れるまで

恋歌讃歌にわらべ歌

胸打つ声が響いたら

明るい明日がやってくる



昨日の涙は 乾いたか

明日何する また逢おう



時が移ろい 日が陰り

大事なあの子が行ったとて

人の世の常ならば

哀しむ事もないだろさ



水車は知っている

めぐり合わせと理の 儚さ優しさ哀しさよ…

 
 

夜の森

2013年11月20日 23:00

重ねた時がゆるやかに
君をかたち作る

柔らかな笑みと
暖かい項に手を伸ばしてみても

書き消された想い出が
幾重にも邪魔をする


僕は一人
取り残されて森の中

打ち倒されて
天を仰げば雪が降るよ

傷隠しても血の臭い
嗅ぎ付け来るよ夜の間に

ああ
永遠に逢うことのない君に
待ちくたびれた時の鐘が
打ち鳴らすあの音は聞こえるだろうか



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